エンディングフェイズ まごころを、君に

 

エンディングフェイズ1 暁の帰還者

 

地上、絶滅社。そこで日も昇らぬ明朝、一つの決定が為された。

「…定刻だ。WMガスを撃ち込め」

幹部・神元が<S>に告げた非情な一言とともに、新宿に展開している部隊が動き出す。

「間に合わなかったか、霞、弟切、米村…」

現場にて、サングラスの奥で静かに、若いウィザード達に別れと、詫びを告げようとする<S>

だがその時、本部の緊急通信電話が鳴った。

「出てきた、出てきたぞ!! 繰り返す、生存者達は自力での脱出に成功!

 あいつら帰ってきやがった!!!」

暁に見守られて姿を現した生存者達に、歓声が降り注いだ…。

 

真:ガス作業班はみんな「な、なんだってー!」だな()

GM:みんな大喜びだがな()<S>もこっそり喜んでるし。

冥夜:あ、誰か0-Phone貸して下さい。<S>さんに連絡を入れます。壊れちゃったので。(一同笑)

刹花:私のを貸しましょう()

冥夜:では「プルルルルル…」

<S>:がちゃ。「私だ。…よく帰ってきた」

冥夜:「はーい、私ちゃんと生還しましたよ〜」

<S>:「見事な手際だった。ミッションコンプリートおめでとう、と言わせてもらおう」

冥夜:「えーとですね、これから帰還しますので…バナナを用意して待ってて下さい〜!」(一同爆笑)

<S>:「よかろう、喫茶店に用意させよう。本当に、ご苦労だった」

 

冥夜:「あ、それと。0-Phone壊れちゃったんですが…経費で落ちますか?」

<S>:「努力だけはしておこう()

刹花:さて、どうなることやら()

 

 

エンディングシーン2 帰るべき所

 

GM:ではその場にいる竜崎にコールだ。「Teltel……」

アズマ:取りますが?「もしもし?」

椎果:「あ、やっと繋がった! ニュースを見てて、地下鉄でテロがおきたって言ってたけど…

大丈夫だったの!?」

アズマ:「まあ、ね」

真:実は地下鉄サリン事件だったのですよ()

刹花:いや、それは絶滅社がやろうとしていたのでは(一同笑)

椎果:「もう…心配したんだから…」

アズマ:「こんな無茶は、いつものことさ」

椎果:「あなたらしいけど……とにかく、無事でよかった」

アズマ:「ああ」

GM:で、この事件は世間的には催眠ガスによるテロ、ということで発表され…真実は闇に閉ざされる。

 

 

エンディングシーン3 そして、足跡はここから…

 

GM:さあ、本来なら存在しなかったシーンを始めるぞ、弥城! 君は今、海にいるのだ(一同爆笑)!

那切:な、何ィっ!?

刹花:うお、そう来た!!

GM:もちろん君の隣には奇跡的に、本当に奇跡的に一命を取り留めた将子が立っているのだ。

真:九死に一生スペシャル()

刹花:本当に九死に一生でしたが()

アズマ:()

那切:や、やっちまったよぉ…(消え入るような声に一同大爆笑)

 

助けた後の事、つまり「こういうシーン」が入ることは考えてなかったらしい

 

真:奇跡起こしちゃったからね〜。あ、自分はノータッチだぞ()

GM:さあ、このシーンは「無かったはず」のシーンだからな! 演出その他は任せるぞ!!

那切:ま、待ってくれ! ちょっと時間をくれ()

 

那切PL、大いに悩むの図。

ちなみにここで、将子の台詞を冥夜PLに譲渡する密約がこっそり交わされてたり()

 

PL:…ざざーん、ざざーん……(一同爆笑)

刹花:効果音が()!?

PL:…波の音が聞こえてくる……

真:台詞だけじゃなくナレーションまで!?

刹花PL:波の音が聞こえてくる…その浜辺に、二人の若者が立っている。

GM:そう、夕日を浴びて、立っている。

将子:「…私を、殺さなかったのね?」

那切:「だって…殺せないじゃないか…」

将子:「…わたしね、ハウゼンに、父親を目の前で殺されたの…。あの男は笑って言っていたわ…

「悔しかったら、君がわたしを殺してみたまえ」って…」

GM:その言葉は、確かに現実となった。そしてハウゼンが望んだものとは違う未来が、

いま此処にあるのだ。

将子:「その時、私は彼に復讐を誓った…その時から、ただそれだけを生きがいにしてきたの……」

那切:「……」

将子:「これから私に、どうやって生きろというの? あの時で私は…死ぬつもりだったのに!」

那切:「そんなの、知らないよ…」

GM:勇者は、そっけなく答えた。

那切:「だってボクは、君じゃないから。君の境遇なんかは、分かるわけが無い。でも…」

将子:「……?」

那切:「自殺みたいなやりかたで…そんなに簡単に命を捨てるなんて、捨てさせるなんて、

許せるわけないよ…」

GM:勇者は呟くようにそう言った。…ありきたりな台詞。

だがその台詞は、確かに将子に届いていたのかもしれない。

…なぜなら、彼女は数瞬の間の後、こう言ったのだから。

将子:「……ありがとう、私を、殺さないでくれて…」

 

勇者の、いや弥城那切の返答は、こうだった。

「そのセリフは、もっと将来…君が精一杯生き続けてから、改めて聞かせて欲しいな」

 

GM:夕暮れの中、歳相応に照れた二人を包む夕日の中で、シーンは終わりを告げるのだった…。

 

那切:は、ハズい!! 俺勇者向いてない! 絶対向いてないぞ!(爆笑)

GM:なってしまったものはしょうがない。クラスチェンジまでは頑張って勇者するがいい!!

那切:ぎやぁぁぁぁぁぁぁぁっ……。

 

*ちなみに。当時のシステムではクラスチェンジ条件があったため中々他クラスへの乗り換えが

難しかったりする。

 その、何だ。頑張れ勇者。

 

 注:現在(ナイトウィザード2ndなど)では、経験点10点を消費するだけであっさり乗り換え可能と

なっております。ふりーだむ。

 

 

エンディングシーン4 変わらない騒乱に

 

GM:では米村。きみの目の前には、玲子・アーラッカーがいる。「米村、ちょっとコレ、見て!!」

どさっ! と置かれるのは、膨大な量の写真だ。

真:な、なんだってぇっ!?()

玲子:「ほら、これよ! ヨーロッパ某所で見つかった、巨大生物の影!! この周辺では最近、

行方不明者が多発してるのよ!」

真:「ね…ネッシーじゃないのか」

玲子:「これはきっとエミュレイターの策動よ! さあ、現地へ調査に行くから、すぐに準備して!!」

真:「な……」

 

「なんだってーっ!?」という叫びが、ある雑誌編集社の一室からこだまするという、

いつもの光景。魔術師米村は、再びこの日常に帰ってきたのだ。

彼に安息の日は……無いかもしれない()

 

 

エンディングシーン・オマケ  ピーピング絶滅社ズ

 

冥夜:あ、わたしエンディングとは別に、ちょっとやりたい演出が()

GM:何か?

冥夜:さっきの勇者エンディング。その背景の木陰に《ダークブリング》で出現、覗いてました(爆笑)

GM:…実はこっそり見てる影があった、と。

冥夜:(にやにや)

刹花:(にやにや)

GM:そしてその横に、こっそりついて来て、同じくにやにや見ているメイドが一人。(爆笑)

アズマ:俺は…出れないな、残念()

刹花:一字一句余さず、秘密メモ帳に記しておきます()

真:というか、写真を撮ってくれ!!(一同爆笑)

刹花:では、最近0-Phoneに追加された写真機能で…

GM:なんと音声まで採れる優れものだ! そして冥夜、君にいいことを教えよう。

…思い出してみればきみは、輝明学園中等部の写真部員ではないか!!

那切:(恐る恐る)…おれも輝明学園?

真:じゃあ俺もだな。

アズマ:同じく()

刹花:では、一流のメイドらしく、完璧な仕事ぶりで、輝明学園にこのこと全てを報告しましょう!

冥夜:新聞新聞♪

那切:ノォォォォォォォォォォォッ……!?(絶叫)

 

 

翌日。輝明学園周辺のウィザードの家庭に、刷りの粗い新聞が投函されていた。

『ディリーフィアー特別版家政婦は見た!!』…このほんの数枚の新聞には、

ある奇跡のような偶然と、そこに生まれた甘々なストーリーが掲載されており…

読んだ人間はあまりの甘さに悶え苦しみ、大笑いしてプラーナを失っていったという。

誰が出版したのかは…ご想像に任せる。

なお余談だが。

絶滅社でこれを読んだエージェント<S>が、思わず盛大に吹き出して大笑いしたことは…

一部社員にとって伝説となっている()

 

かくて、一つの物語が終幕を告げた。

世界は常に、滅亡の危機に瀕している…だが、今だけは。

歳若き『夜闇の魔法使い』達に、日常という名の安息を…。

再び立ち上がる、その日のために。

 

ナイトウィザードリプレイ「赤と黒の迷宮」Fin

 

 

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